コラム【特定技能の「給食業務」分野変更で再開】

今年(2026年)4月、特定技能「外食業」分野において受入れ見込数を超えることが見込まれたため、新規受け入れの停止措置が行われました。これに伴い外食分野に含まれていた、病院や介護施設、学校等における給食業務の人材確保が深刻な課題となっていました。政府はこの給食業務について、令和9年度(2027年度)から「飲食料品製造業」分野へ移行し、緊急的措置として受け入れを再開する方針を固めました。

1. なぜ「給食業務」だけが再開されるのか?(深刻な人手不足の実態)

医療や福祉、学校教育という公共サービスにおいて、給食の安定的かつ円滑な提供は不可欠です。しかし、現場では以下のような厳しい実態がありました。

  • 過酷な勤務条件と採用難: 休日を含め1日3食を提供する現場では、朝食対応のための早朝出勤や、翌日の仕込み等による遅番対応が求められます。さらに、衛生管理の厳しさや地方勤務といった要因も重なり、人手が集まりにくい実態があります。
  • 圧倒的な求人倍率: 有効求人倍率は、「給食等調理員(学校給食除く)」で7.37倍、「学校給食調理員」でも2.36倍に達しており、極めて深刻な人材不足に陥っています。
  • 常態化する欠員: 医療・福祉施設給食受託事業者が提供する食数は増加を続けている一方、調理従事者数は横ばいで推移しています。その結果、欠員のない事業者は存在せず、全体の約4割の事業者で「多数の欠員」が生じている状況です。

2. 今後の制度変更の具体的なポイント

  • 分野の移行と時期: 令和9年度(2027年4月)の新規申請分から、これまで「外食業」の業務区分であった「医療・福祉施設給食製造」を、「飲食料品製造業」の業務区分へと付け替える形になります。これに伴い、分野別運用方針や上乗せ告示の改正が行われます。
  • 全体上限の維持: 2028年度末までの特定技能制度全体の受入れ総数上限(約123万人)の枠内で調整が進められます。一般のレストラン等の外食分野での受け入れ停止は引き続き維持される見込みです。

3.今後の動向と準備について

現在、今年12月の閣議決定に向けて調整が進められており、来春からの受け入れ再開に向けて、対象となる施設や業務の詳細要件、技能試験の扱いなどが今後正式に発表される予定です。医療・福祉・学校現場を支える事業者様、特定技能外国人の皆様には、来春からのスムーズな採用・申請に向けて、今から準備を進めることをお勧めいたします。 弊社では、特定技能外国人のビザ(在留資格)申請、会社様に代わる支援サポートもしております。ご不明な点がございましたら、ぜひ当社へお気軽にご相談ください!

[参考資料・出典:外食業分野における医療・福祉施設給食業等の飲食料品製造業分野への追加等について(法務省)] https://www.moj.go.jp/isa/content/001472906.pdf

名古屋・東京行政書士法人 行政書士 小原