コラム【コロナ禍の公正証書遺言】

本年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆さまにとって幸多き年になりますように。

新春第一弾は、素敵なお話を。
名古屋駅前公証役場の長崎公証人とは、
永くお付き合いいただいています。
公証役場へ出向けない遺言者には、
快くご自宅へ施設へ、時には病院へ伺ってくださいます。
めちゃくちゃフットワークが良い先生なんですよ。

公正証書遺言には、公証人とともに、
立会人が2名必要です。
緊迫な状況のため、日程を繰り上げ調整しましたが、
そのおかげでスタッフが立会人になれない日時になってしまいました。
加えて遺言者がコロナ陽性反応のままとなり、
どうしても私以外のもう1名の立会人が見つかりません。
私と公証人は、遺言者の想いを叶えたいと、
日程の変更はしませんでした。
日ごとに病状が悪化する遺言者さんを支えるご家族は、
どんなに心細かったでしょう。
病院近隣の知り合いの行政書士に立会人をお願いしたところ、
陽性反応のままだと知るや、言語道断と中傷されました。
人それぞれの考え方なのでいいんですが、
命のともしびがあとわずかな方の想いに、
何様のつもりやねん!!と心の中でつぶやきました。

立会人は有資格者じゃなくてもいいんですが、
先輩の女性社労士さんが、
そのようなご事情ならお安い御用ですよと
快くお引き受けくださり、
病院まで飛んできてくださいました。

病院側から感染リスク他説明の後、
隔離病室にて公正証書遺言書を作成することができました。
立ち会ってくださった先生も感動の涙。

無事に想いを遂げられ、ご安心したご様子だったと
娘さんよりお聞きし、一つの遺言書が整いました。

今年も一つ一つのご依頼を
全力でめいっぱい真心こめてまいります!