行政書士の前田智也です。
仕事をしていると常日頃から悔しい思いをし続けています。
「なんでもっとうまくできないんだろう?」とか、成功した時だって、
「今回はたまたまいい方向に転んだだけ。もっといい方法があるはず」と
素直には喜べずに、毎回反省をしてしいます。と、同時に不甲斐ない自分に
悔しさを感じてしまいます。
振り返れば、どんな場面でも悔しさをバネに成長してきたような気がします。
言い換えるならば、悔しさ程、自分を成長させる原動力はないのかもしれません。
イチローが4000本安打を達成した時のインタビューで、以下のように答えています。
「4000のヒットを打つにはぼくの数字でいくと、
8000回以上は悔しい思いをしてきているんですよね。
それと常に自分なりに向き合ってきたこと、
その事実はあるので、
誇れるとしたらそこじゃないかなと思いますね。」
やはり、悔しさこそ、最大の原動力だと思います。
最近、頭をやたらとよぎる記憶があります。
それは、過去、住宅の営業をしていた時に、一番悔しい思いをした記憶です。
そのお客様とはとても良好な関係を気付くことができ、絵に描いたような理想的な
流れで契約に至りました。待ちにまったプラン打ち合わせの初日に、お客様は
見慣れない人を連れて打ち合わせルームに入ってきました。同席した男性の方は、
デザイン事務所を経営しているらしく、打ち合わせルームに入るなり、現時点で決まっていた
たたき台プランにダメ出しをし、仕様から設備まですべてを否定して一仕事終えた顔をして
帰っていきました。彼が去り際に放った一言は、
「家と言うものは、じっくり時間をかけてああでもない、こうでもないと
打ち合わせをしてつくりあげていくものだ」という言葉でした。
結局、契約はキャンセルになり、そのお客様ともデザイン事務所の男性ともそれっきり会うことは
ありませんでした。当時の私は、スピードと対応では誰にも負けない自信がありました。
でもお客様はスピードは求めていなかった訳です。
何なら1年以上かけて打ち合わせをしたっていいとまで言っていました。
お客様によって価値観は様々です。対応は速いに越したことはありません。
ただし、それは必ずしも万人を満足させる対応とは限らないということです。
あの打ち合わせルームで浴びせられた言葉は、今でも忘れられないぐらい悔しいもの
ばかりでした。しかし、あの一件が私を成長させたことは間違いのない事実です。
この話の教訓は2つあります。
1つはお客様の価値観は様々であるということ、
そして2つ目は、あの時の悔しがあって今の自分があるということ
これからも、もっともっと成長していきたいと思います。
前田
